古代エジプトの昔から、すでにアンチエイジングはセレブの重要な関心事であったことは多くの文献が伝えるところです。ハーブオイルや温度差刺激などもすでにこの頃から存在していたようです。お肌に良いというフルーツをはじめとした「医食同源」の知識も古くからあり、温泉やマッサージの効能についても研究が進んでいました。現在、エステティックサロンなどで行われている施療のほとんどの基礎が、すでに古代社会において確立していたのです。肉体機能の衰え以上に、目立つお顔のシワは昔から忌み嫌われていたことも確かなようです。
洗顔やパックなどによるシワの防止もまた、古くから存在し、古代ローマの美容技術においてはすでに基本的な部分が整っていたようです。中世ヨーロッパの暗黒時代にはそうした古代の合理的研究思想が影をひそめ、暗い迷信に根差した恐ろしげな療法が罷り通っていた時期もあったようです。東欧の吸血鬼伝説の元となったある貴族の夫人は、捕えてきた若い娘たちの生き血を肌に塗り、若さを保とうとあがいたそうです。
もっともこれなどはあながち全くの迷信とは言い難い部分もあって、現代の科学的見地から見直すならば、血液中のコラーゲンなどの有効成分によるパック療法の一種に分類されるかもしれません。今ならそんなホラーな方法に頼らずとも、遙かに効率よく、家畜や卵や植物油脂などから抽出した有効成分を用いることで、シワへの対策も確実な効果を上げることが可能になっていますよね。
シワの原因は要するに老化による皮膚の劣化です。これを回復するには皮膚細胞から失われたうるおい、すなわちコラーゲン成分を補っていけばよい、というところまでは判っているわけです。ただ、これを食べ物から補うには肉体の消化吸収能力も衰えつつある年齢では限界があり、新陳代謝も低下しているわけですから、サプリメントの効果についても劇的なものとは言い難いかもしれません。とはいえ、全く効果が無いということもなく、ゆるやかではあれちゃんと「効いて」はいるわけです。問題はその療法が老化のスピードに追い付くことができるか、というところでしょう。
美容外科のシワ対策に熱い注目が集まっているのは、そうした問題を一挙に解決してしまう「現代の魔術」「未来の錬金術」の効果が、きちんと形になって証明されているからに他なりません。特に、プチ整形におけるアンチエイジング治療は、確実な効果をもたらしてくれつつも肉体に負担をかけない安全で手軽な治療法として多くのユーザーの支持を得ていることは周知の通りです。