これは美容外科だけの技術ではなく美容皮膚科でも行われている治療概念ですが、ある種のレーザーや高周波や低周波などを皮膚表面に照射することで細胞活性を高め、衰えていた新陳代謝を復活させ、皮膚そのものを再生させることによって結果的にシワを除去してしまおうという、これまでの美容整形の概念とは全く異なる新しい方法論です。もちろん切らずに治すわけですからプチ整形に含まれます。
この照射系に代表される新たな治療法は、今盛んに美容外科の世界に取り込まれつつある最新医療、すなわち再生医療のノウハウを治療に生かしたシワの解決法のひとつです。再生医療そのものは美容外科とは双子関係にある形成外科から発展していったものですね。これに幹細胞の研究成果やナノテク医療の研究成果などが複合的に合体していって、新たな方法論によるアンチエイジング治療がものすごい勢いで構築されつつあるのです。
シワの治療にしても、光線治療や高周波治療などまだまだ序の口で、ピーリングとの組み合わせやヒアルロン酸との組み合わせ、本人の細胞組織を精製分離して再利用するやり方など、どんどん新技術が開発されて続けています。すでに実用化され、驚きの効果が確認されているもののひとつに「糸埋没法」というものがあります。これはナノミクロン単位にまで細く細く形成された極細繊維を顔面の皮下に埋没させることで、皮膚細胞の自己再生機能を惹起させ、深く刻まれたシワごと新しい細胞に生まれ変わらせてしまおうという、もう科学なんだか魔法なんだかわからないようなものすごい技術なのです。
糸埋没によるシワの治療は、具体的にはシワの寄っている部分、おデコや目元や口元、ホホなどの皮下に、極細繊維を格子状に埋め込んでいくもの。糸を通すことで細胞が刺激され「あ、これは治さなくては」と皮膚に思わせ、再生能力をよみがえらせるという面白い技なのですね。細胞再生の過程で皮膚は新しいものに入れ替わりますので、当然加齢劣化によって定着していたシワも消滅してしまいます。しかもその効果は糸が埋没されている限り持続するのです。
シワを消し去り皮膚を若々しくよみがえらせる「魔法の糸」は、材質的には化学繊維やプラチナ、純金など、アレルゲンを誘発せず、皮下において安定を保ち、いつまでも劣化しない物質が選ばれていますので、多少の違和感に慣れてしまえばまったく気にならなくなります。いやーそれにしても、科学の力って本当にすごいものですね。これからはもうお誕生日を迎えるのも憂鬱ではなくなりますし、シワもちっともこわくないです。